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あるがままに… 
農業のなんたるかなど、まったく知らず…!。自らの暮らしと地域社会との関わりのあり様などについても、意識することすらなく。にもかかわらず、漠然と「田舎に暮らす」ことにあこがれて…。

エゴにもちかい自分の思惑だけを持って島根に転居して、早いものであと一ヶ月もすれば18年になる。

都市は、バブルと言われた時代の末期にちかく…。しかし、それは未だ限りなく続くかと錯覚され、少し冷静に考えれば解することが可能だったその異常な社会状況に、誰一人として気づくことなど出来ない(もしくは、許されない!)状況にあったのかもしれない。自身を振り返っても、これは同じだった。

そして、そのバブルとは、都市を遠く離れた地域社会を蝕み、壊すことで成り立ったゆめまぼろしのごとくあったかのようである。田舎暮らしを決めてから、仕事の合間に、ロードスターを駆って転居先を全国に探して、じつに驚くことが多々あった。

ボディーカラーこそ地味なシルバーだった。しかし、エキゾーストノートなどでそれと解るレベルにチューンしたロードスターだったのだ。これで地図を片手に、目星をつけた町や村の役場に飛び込んで相談に乗っていただくことが当たり前だったのだが、じつに大半のところで大歓迎された。

東北のある町で、話し込んで少し遅くなってしまった。だが、「これから帰るのは大変だろう!」とその担当課長さんのお宅に泊めていただくことまであったのだから、我ことながら驚いてしまう。

しかし、考えれば、これは少し異常だろう。

なぜ、こうした状況が起こり得たのかは考えるまでもない。それだけ地域が疲弊し混乱していたということなのだろう。「豊かな暮らしは都市にこそある」というバブル経済に影響された幻想は、戦後のそれを上回るレベルで地域の次世代の「向都離村」に拍車をかけた。農林業振興のために制定された法に基づく「中山間地域」などという言葉が生まれるほどに地域は衰退し、過疎、高齢化、少子化など、地域の消滅をも意識しなければならないレベルのさまざまな社会問題が顕在化していたのだ。

だけに、どう見ても40ちかい不良中年をも懸命に遇する状況があったのだ。

ともあれ、わたしは自然環境の豊かさとそこに関わる人々の暮らしの穏やかさに魅せられ、島根に転居してきた。そして、当初は、どこかに心地良い場所を見つけ小さなログハウスでも建てて…。将来的には金属に関わるクラフト系の仕事をしながら田舎暮らしをのんびりと満喫しようなどと考えていた。

とりあえず、県が用意してくれた県営住宅に暮らして、その「どこかに心地良い場所」を探しはじめたのだが、ここで、やっと、田舎には自らが意識することもなかったことがあることを理解した。

ないのだ!。わたしを受け入れてくれるところなど、どこにも…!。

行政レベルの対応は、かつて、ロードスターを駆って全国に転居先を探した当時と変わることがなかった。どこに行っても、担当職員の皆さんにはじつに真摯に、丁寧にお世話をいただいた。だが、話が現実味を帯びてくると、じつに様々な集落レベルの課題がみえてくる。

そして、その解決のために、解するべきは集落の側にではなくて、じつは自らの中にこそあったのだが、これが解るまでに10数年を要することになる。

写真の花の名前をわたしは知らない。だが、古タイヤと、汚いビニールが肥料が入れられていた袋であること。「まや肥」が鋤き込まれもせずにあることぐらいは理解する。しかし、これは「美しい写真である!」だろうか。そんなことを言えば、大半の人々に馬鹿にされるのが関の山だろう。じつを言えば、かつて、わたしも、その馬鹿にした側にいたようだ。

農山村の美しい風景の中に、こうしたものが無造作に置かれていることに苛立った。そして、それらを気にも留めない地域の人に、ときに嫌悪感すら覚えたものだ。いまにして思えば無礼この上ない話なのだが…。

つまり、わたしは都市を嫌い島根に転居しながら、都市型の価値観とその理解の中に暮らし続けていたのだと言えるのかも知れない。地域や集落の実状を理解し、それを自らが受け入れるためにどうあるべきなのかと言ったことに、考えなど及ばなかった。いや、意識することすらなかったと言うべきか。

上津の美しい田園風景に暮らしはじめて五年になる。

静かな暮らしに、風景や風土との関わりに学んだ知恵と真摯な姿勢こそを大切に、その日々を、あるがままに過ごす穏やかな人々との関わりが生まれた。そして、やっと、この写真に「美しい!」ものが観れるようになれたのかも知れない。

この写真の中には「農業がある」のだ!。ささやかな暮らしに、あるものこそを活す「百姓の生き方」こそがあるのだろう。

これをあるがままに受け入れられないで、どこに心地良い「田舎暮らし」があるというのか。

ただただ、都市の暮らしに歪んだおのれこそを恥じて止まない。
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